メモミュージックは、標準的な点字楽譜の表記規則に対応しています。
クイックメモや点字編集プログラムで点字楽譜が書かれたデータを開くと、オーディオ再生でその旋律やハーモニーを確認することができます。
楽譜内の和音の表記は音程法と音符法の両方に対応しています。
利用する楽譜の表記方法に合わせて下記のコマンドで切り替えてご使用ください。
この機能で再生できる点字楽譜のサンプルとして、ヴァイオリニスト和波たかよし様に「荒城の月」のオリジナルアレンジ楽譜をご提供頂いています。
(トピックヘルプ内を「荒城の月」で検索してください。)
点字編集メニューのツールサブメニュー内に以下のコマンドを用意しました。
点字楽譜内の音符の並びを範囲選択してこれらのコマンドを実行すると、選択範囲内の旋律を再生します。
範囲選択しないで実行した場合は、カーソルがある行のカーソルより右側を再生します。
また標準的なパート記号に対応しているため、複数のパートを含む範囲を選択してコマンドを実行するとそれらのハーモニーを確認することができます。
選択範囲に曲名や作曲者・作詞者の名前、歌詞やギターコードなどの情報が含まれると楽譜の読み取りに失敗します。
音符の行の間に読み取れない情報が含まれている場合は、楽譜全体を別の場所にコピーして、読み取れない文字を削除してください。
点字編集メニュー → ツール → メモミュージック →
(1)音符法の楽譜を使用
音程法の楽譜を使用
点字楽譜を読み取る際のルールを選択します。
今選択されている方の項目にチェックが付きます。
(2)メモミュージックの再生 (コントロールキー+オルトキー+P)
選択範囲内の楽譜データまたはカーソルがある行の、カーソルより右側を正弦波の音色で再生します。
(3)メモミュージックの保存
上記と同じ範囲の楽譜データをWAV形式でファイルに保存します。
(4)メモミュージックをMIDI形式で保存
上記と同じ範囲の楽譜データをMIDI形式に変換してファイルに保存します。
(5)変換したMIDIデータをAndroid端末に送って再生 (コントロールキー+オルトキー+セレクトキー+P)
BMスマートをAndroid端末に接続している場合、MIDI形式に変換したデータをAndroid端末に送って再生します。
(6)Android端末側の再生/ポーズ(コントロールキー+オルトキー+セレクトキー+S)
上記(5)のコマンドでAndroid端末側でMIDIデータを再生している時、再生を一時停止したり、最初から再生したりできます。
(7)メモミュージック オーディオ設定 (コントロールキー+オルトキー+S)
各パートごとの音の強さや伸ばし方、利用するMIDI楽器などを選択します。
上記の(2)~(5)の再生/保存コマンドを実行すると、次のような設定シートが開きます。
適宜設定を変更してエンターキーを押すと楽譜の再生が始まります。
もし楽譜の中に読み取れない所がある場合は、その場所にカーソルが移動します。
〔点字楽譜の読み取り設定〕
(設定シート)点字楽譜の読み取り(音程法/音符法)
〔メモミュージック オーディオ設定〕
また、楽譜内を範囲選択してから上記の「メモミュージック オーディオ設定」コマンドを実行すると、次のような設定シートが開きます。
この設定シートでは、楽譜の選択範囲内に含まれる各パートについての詳細設定を行います。
(設定シート)点字楽譜のオーディオ変換設定
@dt:(8)MIDI楽器 〈楽器名〉
点字楽譜の読み取りは以下の表記規則に対応しています。
点字の表記例については、トピックヘルプ内の点字文書「メモミュージックで対応している点字楽譜の記法について」を参照してください。
2分音符~8分音符、2分休符~8分休符の点字はそのまま読み取ります。
全音符と16分音符、全休符と16分休符の点字は兼用のため、前後のマス空けから全音符か16分音符かを判定します。
(メモミュージック)正しく判定できない場合、8の点を加えることで反対の音符を指定できます。
(メモミュージック)2分音符、4分音符、8分音符、およびそれらの休符の点字に8の点を加えると、それらの点字を兼用する32分音符、64分音符、128分音符として読み取ります。
付点音符は付点を3個付けるものまで対応しています。
音符の長さの「分別記号」が指定されている場合は、全音符と16分音符の判定は行いません。
この場合、8の点を付けた音符は逆の分別記号での長さになります。
第1オクターブ(低音)から第7オクターブ(高音)の音列記号に対応しています。
オクターブ間の音符のジャンプは3度まで音列記号を省略できます。
また同一オクターブ内の移動は6度から音列記号が必要です。
それぞれの記号とダブル記号に対応しています。
臨時記号の効力は同じ行内の次のマス空けまでです。
ただし、行末に5の点のマスがある時は、小節が次の行に続いているものとみなして臨時記号の効力を継続します。
次の記号に対応しています。
メゾフォルテ、フォルテ、フォルテッシモ、フォルテフォルテッシモ
メゾピアノ、ピアノ、ピアニッシモ、ピアノピアニッシモ
クレッシェンド、デクレッシェンド
3連符と、2連符~10連符の記号に対応しています。
連符の範囲指定は、各連符記号のダブル指定から次のシングル指定までの記法に対応しています。
小節内および小節単位の8回までの繰り返しに対応しています。
小節内の繰り返しは、繰り返し記号1個~7個の連続指定を読み取ります。
小節単位の繰り返しは、繰り返し記号の後に2~7の数字を付けた記号まで読み取ります。
また、数値による前の小節の繰り返し指定にも対応しています。
和音の基準音を最低音にするか最高音にするかをパートごとに指定できます。
音程法の場合、音程記号のダブル指定は、同じ記号の次のシングル指定までの音符全てに同一度数の和音を追加します。
また、この範囲に部分けが含まれる場合、第1部内の音符のみに和音を追加します。
音程法や音符法で和音の構成を表すマスに8の点を追加すると、基準音から1オクターブ離れた音を表します。
小節の部分けおよび部分部分け記号に対応しています。
以下の記号を読み取ります。
・タイ
・スラー
・スタッカート
・テヌート
・アクセント
・装飾音符
・フェルマータ
・複縦線
・終止線
テンポは点字楽譜の記法で1分間の4分音符の数が指定されている時に認識します。
調号と拍子は、シャープやフラットで表される調号と、数字プラス下がり数字で表される拍子がマス空けなしで続けて書かれている時に認識します。
16分音符や32分音符が8個以上続く時、各拍子の先頭の音符だけ元の形で書き、その他の音符は3・6の点を省略する記法です。
各行の先頭に次のパート記号が前置されている場合、複数パートの楽譜とみなして同時再生します。
異なるパート記号が使用される度に順番にパート番号を割り振り、パート番号が小さなものに戻る所で1段の楽譜が終了したものとみなします。
汎用パート記号 3,4,5の点と3の点のマスの間に数字をはさんだ10種類が使用可能です。
右手パート 4,6の点, 3,4,5の点
左手パート 4,5,6の点, 3,4,5の点
ソプラノパート 3,4,5の点, S, 3の点
メゾソプラノパート 3,4,5の点, MS, 3の点
アルトパート 3,4,5の点, A, 3の点
テナーパート 3,4,5の点, T, 3の点
バスパート 3,4,5の点, B, 3の点
その他、各楽器に用意されている一般的な記号に対応しています。