技術解説

14. 寿命

ソレノイドの寿命は、可動鉄心とガイド(黄銅パイプ)摺動面の機械的磨耗に大きく左右されます。DC ソレノイドでは、この摺動部に摩擦係数を少なくする処理を施し、寿命を延ばすことが可能です。
可動鉄心の表面処理はニッケルメッキ、モリブデン処理、テフロン処理の3種類があり、一部の機種では、ガイドに黄銅パイプを内蔵せず、ボビンが直接ガイドとなっているパイプレスタイプもございます。

可動鉄心の処理 黄銅パイプの処理 寿命
ニッケルメッキ 酸洗い 3~5 万回
モリブデン処理 酸洗い 30~50 万回
モリブデン処理 モリブデン処理 100 万回
テフロン処理 モリブデン処理 300 万回超

この表に示された寿命についても、負荷・ストローク・ソレノイドの吸引力・断続動作条件・周囲温度条件等により相違が発生します。ソレノイドを使用する機器の耐用年数、使用頻度から、ソレノイドに対する必要寿命回数が設定できますが、この設定した寿命回数に対し、30~50%の余裕を有するソレノイドを選ぶことが適切とされています。お客様が安全設計をされるとき、吸引力等に過剰な安全マージンを設定される場合がありますが、これは寿命に悪影響を及ぼすことがあります。設計の際は当社までご相談ください。
寿命回数はソレノイドの使用条件や取付状態に左右されるので、使用する機器に実装してテストを行い確認できれば理想的です。
摩擦係数が増加し動作不完全となったソレノイドには、鉄心の先端部の一方向部分が磨耗しているケースが多くあります。これは可動鉄心の動作方向に対して、直角方向の分力が掛かっていたことを示しており、これの改善で寿命を延ばすことに成功した例は多くあります。従って、可動鉄心、パイプの組合せだけでなく、ソレノイドにかかる負荷の与え方についての考慮が長寿命の秘訣です。