音楽は好きだけれど、点字楽譜はたくさんの記号を覚えなくちゃいけなさそうだし、難しそう…。
そんなふうに感じている方も多いのではないでしょうか。
ブレイルメモには、点字で書いた楽譜をその場で音として再生できる「メモミュージック」という機能があります。点字で書いたものが、そのまま音になって返ってくる。
文字を入力する普段のブレイルメモとは少し違う、音楽ならではの楽しさがあります。
今回は、「メモミュージック」機能についてご紹介いたします。
【メモミュージックってどんな機能?】
メモミュージックは、BMスマートシリーズやAirシリーズのクイックメモ、点字編集プログラムで書いた楽譜を、すぐに音にして再生できる機能です。
また、BMFitシリーズなど本体で音声の出ない機種でも、パソコンと接続することでメモミュージックを楽しむことができます。
BMFitシリーズの本体では音を再生できませんが、パソコン用ソフト「BMスマートPad」を使えば、入力した楽譜をパソコンから再生することができます。
メモミュージックは、日本で使われている標準的な点字楽譜の表記に対応しています。また、和音については音程法・音符法の両方に対応しています。
点字で書いた楽譜がすぐに音になるので、お子さんから大人の方まで、楽しくご活用いただける機能です。
点字楽譜を学び始めたばかりの方には、「音を聴きながら楽譜記号を覚える」助けとして。
日ごろから点字楽譜を読んで音楽活動をされている方には、「書いた楽譜をすぐに音で確認できるツール」として。
幅広くご活用いただけます。
今回は、点字楽譜を初めて知る方にも楽しんでいただけるように、まずは簡単な楽譜を入力して、実際に音を鳴らす方法をご紹介します。
1.まずは「ドレミファソラシド」を書いてみよう
まずは、一番身近な「ドレミファソラシド」から始めてみましょう。
点字楽譜では、点字の6点のうち、1・2・4・5の点を使って音の高さを表します。
そして、下の3・6の点を使って音の長さを表します。
例えば、8分音符の「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」を書くときは、かな点字で、
「ル・ラ・エ・レ・リ・オ・ロ」
と表します。
まずは、点字編集画面で「ドレミファソラシド」を入力してみましょう。
入力する点字:⠙⠑⠋⠛⠀⠓⠊⠚⠙
*点字楽譜では、小節の区切りを1マス空けて表します。今回の例では、「ドレミファ」と「ソラシド」の間を1マス空けています。
2. 入力した「ドレミ」を鳴らしてみよう
「ドレミファソラシド」と入力できたら、今度はメモミュージックで音を鳴らしてみます。
操作は次のとおりです。
(1) 入力した行の先頭にカーソルを移動する
今入力した行の先頭にカーソルを移動します。
メモミュージックでは、カーソルのある位置から右側の楽譜が再生されるため、最初から聴きたい場合は行の先頭に移動してください。
もしくは、再生したい部分を範囲選択します。
範囲選択をするには、セレクトキーを押しながら矢印キーで選択範囲を指定します。
(2) メモミュージックで再生する
Altキーを押してメニューを表示し、
「ツール」→「メモミュージック」→「メモミュージックの再生」と進みます。
設定画面が表示されますが、まずは設定を変更せず、そのままエンターキーで確定してみましょう。
すると…
入力した「ドレミファソラシド」が、音になって再生されます!
「点字で書いたものが、本当に音になった!」
まずは、その楽しさを感じてみてください。
3. 短い曲を入力して鳴らしてみよう
メモミュージックでは、音の高さを変えたり、複数パートの音を一緒に鳴らしたり、いろいろな楽しみ方ができます。
慣れてきたら、以下の楽譜を入力して再生してみてください。
(1) ⠨⠹⠱⠏⠀⠹⠱⠏⠀⠳⠫⠱⠹⠀⠱⠫⠕
(2) ⠨⠹⠹⠳⠳⠀⠪⠪⠗⠀⠻⠻⠫⠫⠀⠱⠱⠝
(3) ⠐⠫⠋⠑⠹⠹⠀⠱⠱⠋⠑⠹⠀⠳⠓⠛⠫⠫⠀⠑⠙⠑⠋⠝
*楽譜の最初にある5の点や4・6の点は、音の高さを表す「オクターブ記号」と呼ばれる記号です。
5の点はピアノの鍵盤の中央のオクターブで「第4オクターブ」と呼ばれます。
4・6の点は、それより1つ上のオクターブで「第5オクターブ」と呼ばれます。
4. 慣れてきたら、いろいろな曲にチャレンジしてみよう
音楽には8分音符だけでなく、4分音符、2分音符、全音符など、長さの違う音符があります。
点字楽譜では、音の長さや高さによって書き方も変わります。
少しずつ覚えていくと、いろいろなリズムを表現できるようになります。
4分音符・2分音符・全音符の基本的な書き方については、以下の資料にまとめています。
https://www.kgs-jpn.co.jp/wp/wp-content/uploads/2026/10/braille_music_chart.pdf
https://www.kgs-jpn.co.jp/pub/develop/download/music_brl.bmt
ブレイルメモで読めるBMT版、墨字で確認できるPDF版をご用意しましたので、用途に合わせてダウンロードしてご使用ください。
BMT版には、「4.」でご紹介した楽譜も記載しました。入力の参考にしてください。
音の長さが変わるだけでも、音楽の印章が変わって楽しいです。
ぜひ違う長さの音符にも挑戦してみください。
【メモミュージックを使える機種は?】
メモミュージックは、BMスマートシリーズ・AirシリーズのファームウェアVer.3.0.0A以上でご利用いただけます。
お使いになる際は、本体のファームウェアを最新のバージョンに更新してご使用ください。
ファームウェアは、以下からダウンロードすることができます。
ブレイルメモスマート Air16 & Air32 ファームウェア Ver3.0.0A zip
https://www.kgs-jpn.co.jp/wp/wp-content/uploads/2025/08/BMSair_Ver3.0.0A_20250728.zip
ブレイルメモスマート16 & 40 ファームウェア Ver3.0.0A zip
https://www.kgs-jpn.co.jp/wp/wp-content/uploads/2025/08/BMSmart_Ver3.0.0A_20250728.zip
また、BMFitなど、音声が出ない他の機種でも、パソコン用ソフト「BMSmartPad」を介してメモミュージックを楽しむことができます。
BMSmartPadは、パソコン用の「ブレイルメモシリーズ機器用ユーティリティ」に含まれています。
ご使用のパソコンに対応したバージョンをインストールしてお使いください。
ブレイルメモシリーズ機器用ユーティリティ Ver6.8.8H 64bit版
https://www.kgs-jpn.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/BMUtil_X64_Ver688H.zip
ブレイルメモシリーズ機器用ユーティリティ Ver6.8.8H 32bit版
https://www.kgs-jpn.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/BMUtil_X86_Ver688H.zip
また、メモミュージック機能の詳しい操作方法については、以下の「トピックヘルプ」からご覧いただけます。対応している点字楽譜の記法についても、リンク先から確認できます。
〈メモミュージック機能〉
https://www.kgs-jpn.co.jp/wp/wp-content/uploads/2025/06/bmsair32_manual.3.0_html/usage/MemoMusic.html
【間違えても、音を聴きながら確かめられる】
メモミュージックの面白いところは、書いた点字楽譜をその場ですぐに音にして確認できることです。
入力して、鳴らしてみる。
「あれ? 思っていた音と違うな」と思ったら、もう一度点字を確認してみる。
直したら、また鳴らしてみる。
このように、「書く → 聴く → 確かめる」を繰り返しながら、点字楽譜に触れることができます。
最初から正しく書けなくても大丈夫。
試行錯誤しながら音を作っていくことも、メモミュージックの楽しさの一つです。
「自分で入力したものが音になるって面白い!」
「次は違う音を入れてみようかな」
そんなふうに、点字と音楽に触れるきっかけになればと思っています。
弊社YouTubeでも、実際にメモミュージックを使いながらできることを、少しずつ動画でご紹介していきます。
文章だけでは分かりにくいところは、ぜひ動画と一緒に試してみてください。
点字で書いたものが音になる。
そこから、今までとは少し違った音楽の楽しみ方が広がっていくかもしれません。
ぜひメモミュージックを使って、音楽作りをもっと楽しく、もっと身近に感じていただけたら嬉しいです。
次回のコラムでは、メモミュージック誕生のきっかけをご紹介いたします。どうぞ、お楽しみにお待ちください。