お知らせ

「ケージーエス製品 私はこう使う!」第58回

2022.04.30

アーティゾン美術館 様
使用機器:点字ラベラーBL-1000 LINK
使用内容:鑑賞会報告書に点字ラベルを活用

アーティゾン美術館 様 の写真
アーティゾン美術館 様

ユーザーの方々にケージーエス製品の活用方法を語っていただく『コラム「ケージーエス製品 私はこう使う!」』

今回は東京都中央区にある、アーティゾン美術館へインタビューに伺いました。
株式会社ブリヂストンの創業者である、石橋正二郎氏が1952年に名を「ブリヂストン美術館」として開館した、70年の歴史を持つ美術館で、公益財団法人石橋財団によって運営されています。
新築工事のため、2015年より休館されていましたが、2020年1月に名前を「アーティゾン美術館」へ改め、開館致しました。

鑑賞会報告書に点字ラベルを活用

鑑賞会報告書に貼付された点字シールの写真
鑑賞会報告書に点字シールを活用

アーティゾン美術館では、毎年一回、現代美術家と石橋財団コレクションが共同する「ジャム・セッション」という展覧会シリーズを始めました。その一回目にアーティストの鴻池朋子さんをお迎えしました。

コロナ禍による緊急事態宣言により、会期を延期しての開催となりましたが、その関連プログラムの一つとして、「みる誕生」鑑賞会というプログラムを開催致しました。美術館では通常、作品に触れることはできませんが、このプログラムでは、目の見えない人・見えにくい人と、見える人がペアとなって会場を巡り、作品に触れるなど触覚や聴覚も含む全感覚を通して展覧会を楽しみました。

「みる誕生」鑑賞会は、視覚に障害のある方に参加を呼びかけた初めてのプログラムでしたので、美術館にとっても多くの発見がありました。そのことを何らかのかたちで記録に残したく、まとめたのが『「みる誕生」鑑賞会報告書』です。冊子という形においても、視覚的なものだけにならないことを意識しました。その工夫の一つとして、冊子の冒頭に写真を手貼りし、点字ラベルでその内容を記しています。写真と点字ラベルは全部で20種類あり、12名のスタッフで一冊ずつ仕上げました。このページが、点字が読める方と読めない方との会話のきっかけになったり、点字の触り心地を楽しんだり、点字一覧表で言葉を調べてみる、など何か新しい発見につながることを期待しています。

点字ラベルを使用して

点字ラベルを印字すると、ラベルは上下の余白幅が狭い方が上側、広い方が下側になります。点字ラベルを貼る時は、ゴム手袋をして点字をもう一度確認しつつ、上下逆にならないよう、ドキドキしながら貼り付けました。
「みる誕生」鑑賞会と報告書づくりをきっかけに、これからも視覚だけではなく、さまざまな感覚で楽しめる、美術館なではの取り組みを模索していきたいと思っています。