このバージョンでは、BMスマートファームウェア Ver2.8.4Eベータ版から次の改良を行いました。
1.デュアルカーソルモード
デュアルカーソルモードは、メインとサブの2個のカーソルを使って、点字文書を編集したり、点字図書を閲覧できる機能です。
文書を読む時には、本文と脚注、要約と詳細、問題と答えなど、二つの場所を行き来しながら内容を確認したいことがあります。
そんな時に便利なのがこのデュアルカーソルモードです。
デュアルカーソルモードを利用するには、簡単操作設定で以下の項目を有効にしてください。
「C18 デュアルカーソルモード」
〔コマンドキーでのデュアルカーソルの操作〕
(1)文書を開いた時にはカーソルは一つで、これをシングルカーソルモードと呼びます。
この状態から次のどちらかの操作をすると、カーソルが同じ場所でメインとサブの2個に分離してデュアルカーソルモードに入ります。
・コマンドキー+レ(1,2,4,5の点) = メインカーソル
・コマンドキー+レ下がり(2,3,5,6の点) = サブカーソル
上記の「メインカーソル」の操作をすると、メインカーソルがアクティブになり、この後は通常のカーソル移動や検索の操作でメインカーソルが移動するようになります。
この時サブカーソルの方は分離された場所でそのまま待機しています。
(2)メインカーソルを別の場所に移動させてから上記の「サブカーソル」の操作をすると、今度はサブカーソルがアクティブになり、点字表示はカーソルを分離した場所に戻ります。
この後は、通常のカーソル移動や検索の操作でサブカーソルが移動するようになります。
メインカーソルの方はアクティブでなくなった所でそのまま待機していますので、再び上記の「メインカーソル」の操作をすると点字表示をその場所に戻すことができます。
このように、デュアルカーソルモードでもアクティブなのは常にどちらか一方のカーソルで、点字表示部にはそのカーソルの位置や選択範囲が表示されています。
また、拡張編集機能を利用している場合、一方のカーソルを別のサブフィールドに移動することもできます。
この場合は、カーソルを切り替えることで表示されるサブフィールドも切り替わります。
(3)デュアルカーソルモードからシングルカーソルモードに戻るには次の操作をします。
・コマンドキー+フ(1,3,4,6の点) = カーソルの統合
この操作により、メインカーソルとサブカーソルが統合されて、デュアルカーソルモードが終了します。
この操作では点字表示は変化しません。
(4)デュアルカーソルモードの状態で次の操作をすると、メインカーソルとサブカーソルの間を範囲選択できます。
・セレクトキー+コマンドキー+レ(1,2,4,5の点) = サブカーソルがアクティブな状態で、メインカーソルの位置まで範囲選択します。
メインカーソルがアクティブな時や、メインカーソルがサブカーソルと別のサブフィールドにある時は、この操作は無効です。
・セレクトキー+コマンドキー+レ下がり(2,3,5,6の点) = メインカーソルがアクティブな状態で、サブカーソルの位置まで範囲選択します。
サブカーソルがアクティブな時や、サブカーソルがメインカーソルと別のサブフィールドにある時は、この操作は無効です。
・セレクトキー+コマンドキー+フ(1,3,4,6の点) = 現在アクティブなカーソルからもう一方のカーソル位置まで範囲選択して、カーソルを統合します。
*BGリーダーでデュアルカーソルモードを使用する場合は、上記の操作にウィンキーを組み合わせてください。
*上記のメインカーソルやサブカーソルのショートカットは、ショートカットメニューからコマンドを実行した後の反復実行の操作と同じです。
このため、ショートカットメニューで別の移動コマンドを実行した後にデュアルカーソルの操作をしたい場合は、次のように操作してください。
・コントロールキー+オルトキーを押して、ショートカットメニューを開きます。
・「レ」または「レ下がり」を入力して目的のコマンドに移動し、エンターキーを押します。
〔方向キーでのデュアルカーソルの操作〕
(5)ワイドモデルでは、左右の方向キーの組み合わせ操作でもデュアルカーソルの機能を利用できます。
・左右の方向キーの上向きキー = メインカーソル
・左右の方向キーの下向きキー = サブカーソル
・左右の方向キーの上向きキー+下向きキー = カーソルの統合
(6)次の操作をすると、メインカーソルとサブカーソルの間を範囲選択できます。
・表示の送りキーまたは戻しキー+左右の方向キーの上向きキー = サブカーソルがアクティブな状態で、メインカーソルの位置まで範囲選択します。
・表示の送りキーまたは戻しキー+左右の方向キーの下向きキー = メインカーソルがアクティブな状態で、サブカーソルの位置まで範囲選択します。
・表示の送りキーまたは戻しキー+左右の方向キーの上向きキー+下向きキー = 現在アクティブなカーソルからもう一方のカーソル位置まで範囲選択して、カーソルを統合します。
2.プルダウンブロック機能の修正
(1)これまで、プルダウンマークをクリックしてプルダウンブロックを展開すると、カーソルは前回エスケープキーを押してプルダウンマークを閉じた時のカーソル位置に移動していました。
しかし、展開したブロックの先頭から読みたい場合もあるため、上記の操作にコントロールキーを組み合わせた場合はカーソルがブロックの先頭から移動しないように修正しました。
(2)ワイドモデルでは、方向キーを利用した次の操作が利用できます。
・左側方向キーの上向きキー + 右側方向キーの下向きキー = デュアルディスプレイモードで、2つのカーソルの間をプルダウンブロックに設定して折りたたみます。
この操作により、カーソルは統合されてシングルカーソルモードに戻ります。
・左側方向キーの下向きキー + 右側方向キーの上向きキー = カーソルが閉じたプルダウンブロックの行にある時、プルダウンブロックを展開します。
シングルカーソルモードでは、プルダウンブロックの中でこの操作をすると、カーソルを分離してサブカーソルをプルダウンブロックの終了行に設定します。
*これらの操作で使用するキーの配置は、プルダウンマークの開閉を示す点字のマーク(2,6の点、3,5の点)から連想できるように定めました。
3.その他の修正点
(1)点字文書内に「リストの編集機能」で作成したリストがある時、それらの行でダブルクリックするとリストの編集モードに入るようにしました。
ダブルクリックするには、「カチカチ」という風に同じマスのタッチカーソルを0.5秒以内に2回連続して押してください。
(2)点字編集ウィンドウやテキスト編集ウィンドウで次のコマンドの標準のショートカットを変更可能にしました。
一つ前の文書コマンド ショートカット コントロール+セレクト+P
以上