お知らせ

「ケージーエス製品 私はこう使う!」第6回

2016.08.08

社会福祉法人 東京光の家 菊地美由紀様
使用機器:ブレイルメモスマート16、ブレイルメモスマート40
使用内容:盲ろうの入所利用者とのコミュニケーション

ユーザーの方々にケージーエス製品の活用方法を語っていただく『コラム「ケージーエス製品 私はこう使う!」』

今回は「東京光の家 栄光園」で、職員と盲ろうの入所利用者のコミュニケーションツールとして利用しているブレイルメモスマートについて、職員の菊地美由紀様にお話を伺いました。

「東京光の家 栄光園」は、活動を通じて自立を図ることを目的とし、雇用されることが困難な視覚障害者を対象に就労支援と生活支援を行っています。

ある日耳が聞こえなくなってしまった利用者への配慮や工夫には目を見張る物があります。どうぞご覧ください。

左から、栄光園職員の 菊地 美由紀 様、利用者様 の写真
栄光園職員の菊地 美由紀 様(左)、利用者様(右)

すべてブレイルメモを介して会話をしています。

光の家栄光園でのブレイルメモスマートの利用方法をご紹介します。
全盲の入所利用者(以降、彼女)が、ある日、髄膜炎を発症し全盲ろうになってしまいました。
様々な方法を考えましたが、現在は、すべてブレイルメモスマートを介して会話をしています。

彼女は、生活の場・作業の場においてブレイルメモスマート16とブレイルメモスマート40を1台ずつ持っており、それぞれ据え置きにした状態で使い分けています。彼女は中途で全盲ろうになられたので、話すことにおいては問題ありません。そのため、職員から彼女に話しかける際は、ブレイルメモスマートとパソコンをUSBケーブルで接続し、製品に添付されている点字エディタソフト「BrlPad」で入力した文字を触ってもらうことで会話をすることができています。

パソコンからブレイルメモに話しかけているご様子の写真
パソコンからブレイルメモに話しかけているご様子

「BrlPad」とブレイルメモスマートの組み合わせを使用することで、点字の知識のない職員でもローマ字入力したことを瞬時に点字で伝えることができるので、とても助かっています。

「Brl Pad」の画面スクリーンショット
「Brl Pad」の画面

様々な情報を届けられるよう意識しています。

どんなに小さなことでも情報提供することは、彼女の安心感に繋がります。
職員で連携しながら、「おはようございます」、「出席をとります」、「今から○○の打ち合わせをします」、「お手洗いはいま空いていますよ。どうですか」、「今日のニュースでこんなことを言っていました。」など、日課の流から環境の変化、雑談に至るまで様々な情報を届けられるよう意識しています。

東京光の家 栄光園 の写真
東京光の家 栄光園

また、年度初めの式典や、キリスト教の礼拝など東京光の家ならではのイベントが多々ありますが、そういった集まりの際にはパソコンとブレイルメモスマートを会場まで持っていき、リアルタイムでの同時通訳を行っています。

彼女は聴力を失う前から、長くこの栄光園の作業所で働いています。そのため日課の流れや建物の配置、共に過ごす職員・利用者の状況は、自然と身体で記憶しています。足りない部分を補う上でブレイルメモスマートの購入を決めました。こうして機械を使うことでスムーズにコミュニケーションを図ることができ、ご本人はさることながら、職員も、共に過ごす利用者の仲間も、本当に感謝しています、ありがとうございます。この場をお借りして心から感謝申し上げます。