清水 浩之 様
使用機器:ブレイルメモスマート40 / 拡張機能ライセンス
使用内容:柔道整復師の受験勉強
ユーザーの方々にケージーエス製品の活用方法を語っていただく『コラム「ケージーエス製品 私はこう使う!」』
皆さんは、「柔道整復師」という資格をご存知でしょうか。
数年前から、大阪府立大阪南視覚支援学校にて、履修・資格の受験ができるようになりました。
今回のコラムは、そんな「柔道整復師」の受験勉強にブレイルメモスマート40(以下、ブレイルメモスマート)と、その追加ソフトである、「拡張機能ライセンス」を活用した事例をご紹介します。
最初に買った点字ディスプレイは「ブレイルノート20B」でした。
私は生まれつき全盲でしたので、子供の頃から盲学校に通っていました。
盲学校の高等部を卒業後、理療科にて、21歳まで三療(針・灸・按摩マッサージ)を学びました。資格を取得して、卒業した後は、病院に勤務し、リハビリのための施術を行っていました。
仕事を始めて、最初に買った点字ディスプレイは「ブレイルノート20B(以下20B)」でした。
当時のパソコンはMS-DOSでしたので、そのパソコンに20Bを接続して点字出力させていました。パソコンの音声だけでは、どうしても限界があるため、点字でも確認しながら、使用する必要がありました。その後、「ブレイルメモ46」に買い替え、同様に利用していました。
データをその場で読むことができるようになった
長年、病院勤務を続けていたら、ある日、「大阪府立大阪南視覚支援学校」で柔道整復師養成課程が全国で始めて、盲学校に新設されました。柔道整復師の資格を目指して仕事を辞め、大阪府立大阪南視覚支援学校に入学しました。その際、入学に合わせてブレイルメモスマートを購入しました。
入学当時、私は柔道整復科の2期生で、新設されたばかりの課程だったため、点字の教科書はなく、学校の先生が、教科書の内容を要約したレジュメをWordやExcelで作り、そのデータを渡してくれていました。もらったデータをPCでテキストデータに変換して、ブレイルメモスマートで点字表示させて読んでいました。
その後、2年生の2学期が終わる頃に、WordやExcelのデータをブレイルメモスマート上で点字表示できる追加ソフト、「拡張機能ライセンス」がリリースされました。テキスト変換せずに、直接ブレイルメモスマートで点字表示できるので、「これは僕のために出してくれたんじゃないか」と喜びながら、すぐに購入しました。
PCでデータを変換する手間がなくなったので、先生からUSBメモリに入れてもらったデータをその場で読むことができるようになり、利用の幅がとても広がりました。
また、試験勉強の際は、もらったデータを「クイックメモ」などの機能を活用して、さらに自分用として要約したものにまとめていました。
ブレイルメモスマートがなければ、学生生活を乗り切ることができなかった
ある程度年齢を重ねてから、久しぶりに学生として勉強していたので、覚えるということにとても苦労しました。
私の場合、学校までの通学に約1時間半ぐらいかかるため、家から学校への行き帰りの電車で、ブレイルメモスマートを膝の上に乗せて、ノートなどを読んでいました。
膝の上に乗せてしまえば、ブレイルメモスマートは場所をとりませんので、隣の人を気にせずに、時間を有効的に活用することができました。
私はこのブレイルメモスマートがなければ、学生生活を乗り切ることができなかったと思います。
おかげで、柔道整復師の資格を点字受験し、全盲として初めて合格いたしました。
今後は、仕事でのブレイルメモスマートの活用を進めていきたいと思っています。